人は変われるのか(1)

さて,人は変われるのか?この疑問をお持ちのあなたは,おそらく人間関係が上手く行かなかったり,自分の性格に何かしらの難を感じていて,自分を変えたいと思っていたり,もしくはたいそう厄介な方と付き合いがあって,その人が変わってくれるのか,といったことを考えておられたりするのではないでしょうか。

まずは自分が変わりたいと思っている場合。

正直,本質的な性格,つまり性格の根っこの部分は変わりづらいものだと思います。ですが,人間関係をもう少し楽なものにする,もう少し生きるのを楽にしたいといった目的であれば,それは十分に変えようがあるし,変わるものだと思います。

次に,誰かに変わってほしいと思っている場合

その場合のお答えは「その人次第」。ただ,その人が「変わりたい」と思っていても,思っているだけでは難しいかもしれません。変わるために,何か努力をしているかどうか,ちゃんと行動が伴っているかどうか,そこが大事かもしれません。

変わるためにはそれなりの時間と作業,情熱が必要

それはご自身の場合も同じです。それなりの苦しい時間と作業,情熱(思い)が必要かもしれません。その作業は難しく,なかなかひとりでできるものではありません。というのも,人には自分が慣れ親しんでしまった人との関わり方のパターンというものがあって,それは自分の意識できないところ,自分の奥深いところから知らない間に私たちを動かしてしまうからです。

それでもその変化は,その苦しみに十分値する成果をもたらしてくれると思います。それはどうやって始めればいいのか。自分の人との,世界との,ものとの関わり方を知ることがまず最初のステップとなるかもしれません。

 最後は,期せずして宣伝となり申し訳ありませんが,そんな深いところから何かを変えようとするのであれば,やはり精神分析的心理療法が有効ではないかと思います。