不登校のお子さん:何を聞いても答えは「わからない」

どうして学校に行きたくないの?

お子さんが学校に行かなくなったら,当然その理由を聞くものです。学校でいじめられているのではないか。そう心配されるのも当然です。

しかし,大抵の場合,お子さんが学校に行かない理由を明確にできることはありません。
なぜなら,お子さん自身,自分の心の中で,自分の内側で何が起きているのかよく分かっていないのです。ただ「なんとなく」行きたくないということが多いのです。

自分の内側で起きていることに関心を向けさせる

そうなると,理由を聞いても埒はあきません。
遠回りかもしれませんが,まずは自分が何を思っているのか,何を感じているのかということに関心を持たせることが大事です。
そして,自分が何を思っているのか,感じているのかをキャッチして,言語化できるようにしなければなりません。

内側で起きていることを周りが言語化してあげる

そのためには,他愛もない会話の中から,お子さんが何を感じているのか,考えているのかを拾い上げて,周りが言語化してあげる必要があります。

たとえば,赤ん坊は「おなか空いてるのね」「おいしいね」「お花きれいだね」と一緒にいる大人がその感情や思いを言語化してあげることで,「そうか,これがおなか空いてるってことなのか」「これがおいしいってことなのか」「きれいってことなのか」とそれぞれ知っていくわけです。

ですが,おうちの中で「お風呂入りなさい」「宿題しなさい」「プリントは?」といった会話しかなくなっていると,たとえたくさん会話があっても,お子さんが自分の心の状態を知り得るような会話がなされていないので,自分に心があること,感情があることに気づかないのです。

また,環境にこうした問題がなくても,もともと自分の内側で起こっていることに無関心なタイプの発達障害のお子さんの場合,生来的に(脳の構造的に)こうしたことが苦手な場合もあります。

プレイセラピーやカウンセリングがお手伝いできること

プレイセラピーやお子さんのカウンセリングは,まず「心の存在」「感情の存在」に気づくところから始まって,自分の内側で起きていることを言語化し,伝え,自分でもコントロールしていくことをサポートします。