過去の選択を「正解」にする力
「あのとき,ああしていれば…」「もし違う選択をしていたら,今頃は…」
カウンセリングの場では,こうした後悔の言葉をよく耳にします。過去の選択を悔やみ,別の道を選んでいればと考える気持ちは,誰にでもあるものです。
そもそも,別の道を選んでいればもっと良い結果が導かれていたとは限らないのです。もっとひどいことになっていた可能性もあります。
また,「終わったことは仕方ない」と自分に言い聞かせて諦めようとする方もいらっしゃいます。
後悔を感じるのは,自然なことです。
でも,そこにとどまり続ける必要はありません。
なぜなら,過去の選択を「良いもの」にする力が,私たちには備わっているからです。つまり,終わったことだけれど,その意味付けはいまから変えることができるのdす。
選択の意味は,後から作られる
過去の事実そのものは,もう変えることはできません。
終わったことだからどうしようもない―—本当にそうでしょうか?
たとえば,第一志望の会社に落ちて第二志望の会社に入社したという人がいるとしましょう。
第一志望の会社に落ちたという事実,一番の願いは叶わなかった,という事実は変わりません。
でも,その選択が「良かった」のか「悪かった」のかは,実はまだ確定していないのです。
これはどういうことでしょうか。第一志望には落ちたけれど,その人が受かった会社でバリバリ働き,充実した日々を送り,素晴らしい仲間や上司に出会い,やりがいのあるプロジェクトに携わったとしたら・・・。数年後には「あの会社に落ちて,本当によかった」と心から思えるかもしれません。
一方で,ふてくされて適当に働き,何も学ばず,何も得ようとしなければ,「あのとき第一志望に受かっていれば,バラ色とまでは行かなくても,もっとましな人生が送れていたかもしれない」という後悔が続き,欝々とその後の人生を暮らす羽目になるかもしれません。
同じ「第二志望の会社に入った」という出来事なのに,その後の過ごし方によって,選択の意味がまったく変わってくるのです。つまり,選択の良し悪しは,選んだ瞬間に決まるのではなく,その後の自分の行動によって作られていくものだということをお伝えしたいのです。
あなたの行動が未来を作る
ここで大切なのは,
過去の選択そのものよりも,そこからどう行動するかが人生を決めるということ,
自分の行動次第で,いくらでも未来を変えられるということなのです。
これは,単なるポジティブシンキング(前向きな考え方)の話ではありません。実際に,自分がどう動くかによって,現実が変わっていくのです。
「転んでもただでは起きない」という言葉があります。転んだという事実は変わりません。
でも,そこから何かを得ようと動く力が,人にはあります。
転んだ経験から学び,次はもっと気をつけようと考え,あるいは転んだからこそ見えた景色に気づく。そうやって能動的に動くことで,「転んだこと」を意味のある経験に変えていけるのです。
過去の選択も同じです。その選択を「正解」にできるかどうかは,これからのあなたの行動にかかっています。
今いる場所で,今できることに全力で取り組む。その積み重ねが,過去の選択の意味を作っていきます。
今の選択を,未来の「正解」にする
過去の選択で迷っている方へ。
その選択を正解にできるのは,あなた自身です。「あのときの選択は間違っていなかった」と思えるような未来を,これから作っていくことができます。
これから選択に迷う方へ。どちらを選んでも,それを良いものにする力があなたにはあります。
完璧な選択などありません。大切なのは,選んだ後にどう動くかです。
少し立ち止まって,自分に問いかけてみてください。終わったことだから,どうしようもないってことはありません。
「今の選択を良いものにするために,明日からできることは何だろう?」と。
小さなことでかまいません。その一歩が,未来を変える始まりになります。
おわりに
選択の意味は,選んだ瞬間に決まるのではなく,その後の行動によって作られていきます。
過去は変えられませんが,その過去をどんな意味のあるものにするかは,これからの自分次第です。
後悔にとどまる必要はありません。未来を変える力は,すでにあなたの中にあるのですから。
「あのとき違う選択をしていれば…」と後悔していませんか?
選択の良し悪しは選んだ瞬間ではなく,その後の行動で決まります。


