真実を知ること

精神分析家のウィルフレッド・ビオンは「真実を避けようとする試みは,精神のバランスを崩します。真実,あるいは真実の探求には,私たちの精神のバランスに不可欠な何かがあるのです」(1968/2018)で述べています。

人には知りたくないことや信じたくないこと,認めたくないことがたくさんあるように思います。自分の愚かさやみじめさ,無能さ,そんなことはあまり知りたくないようにも思います。相手が自分のことを大切に思ってくれていないことなども,あまり知りたくはありません。

自分は万能ではないこと,世の中,自分が思うようには進まないこと,思ったように人が動いてくれないこと,相手に分かってもらえないこと…そんなことがたくさんあるのは当たり前ってことはよく分かっていますが,それでも人はそんな真実を認めたくはないのです。

しかしながら,このような事実や現実から目を背けてもそれがなくなるわけではありません。「世の中は理不尽なもの,それで良しとせよ」…今日もそんなことを自分に言い聞かせます。

時には諦めは大事,でも絶望の中で人は生きることはできません。すべてが思うようにはいかなくても,ちょっとしたことなら思い通りにいくことだってあります。そんな小さなこと,些細なことに幸せを,喜びを感じて,うまくバランスを取って生きていきたいものです。