耳と口

口は もっと 耳を怖れなくてはいけない

口は もっと よどまなくてはならない

相手の耳の奥には こころというものがあって

こころは しっかりと 口を見つめているのだから

耳は いつも 目覚めていなくてはならない

耳は いつも 待っていなくてはいけない

相手の口の先には いつも強風が吹いていて

どんなでたらめが 混じりこむか わからないのだから

これはこのサイトの「私の紹介」にも書いたもう一遍の文章と同じ,糸井重里氏の「小さいことばを歌う場所」(2011)のなかの文章です。大切にしたいと思うことのひとつです。