「うちの子には計画性がない」と感じたら——発達障害のお子さんの「先を見通す力」について

今回は,計画性を持って物事にあたることが苦手なお子さんについて,その背景にある心理と,どのように関わっていけば良いのかについて書いてみたいと思います。

計画性がないように見える理由

一部の発達障害のお子さんの中には,計画性を持って物事にあたるということが苦手なお子さんがいらっしゃいます。(なお,不安が高いことが過度な計画性やそれに対するこだわりに発展している逆のケースもあります。これについてはまた別の機会に取り上げます。)

なぜ計画性がないように見えるのでしょうか?

それは「先を見通す力」が弱いからです。それをしなかったらどうなるのかということも想像しづらいのです。

恐怖が思考を止めてしまう

ところが逆に,現実を適切に理解しないまま,まだ発達途上の想像力に振り回されて,恐ろしい未来しか想像できずに怖くなってしまうこともあります。そうなると,考えることそのものを止めてしまうのです。

この怖さの背景には,自己肯定感が低く,自分には何もできないと思い込んでいることも関係があります。
つまり,「自分がやったらきっと失敗する」「どうせうまくいかない」という思いが先に立って,未来を考えることが怖くなってしまうのです。

「◯◯しなかったら…」という声掛けの影響

こうした状態のお子さんに対して,「◯◯しなかったら大変なことになるわよ!」といった声掛けをしてしまうと,お子さんをますます恐怖に陥れて動けなくしてしまうだけです。

親御さんとしては,危機感を持ってもらって行動を促したいという気持ちからの声掛けだと思いますが,残念ながらこの方法は逆効果になってしまいます。恐怖は思考を停止させ,行動を妨げてしまうのです。

自己肯定感を支える関わりから始める

では,どのように関わっていけば良いのでしょうか。

まずは,じっくりとゆっくりと関わって,お子さんの未来をしっかりと応援していく気持ちがあること,頑張る人,頑張っている人を支えてくれる人はちゃんといるんだよ!というメッセージを伝えることから始めてみましょう。

「失敗してもいい」
「うまくいかなくても一緒に考えよう」
「あなたを見守っている」
——そうした安心感の中でこそ,お子さんは少しずつ未来を考える余裕を持てるようになっていきます。

計画性は,恐怖ではなく,安心感の中で育っていくものなのです。