オフィスの名前,そしてロゴに込めた思い

「桜」

「桜心理カウンセリング恵比寿」というオフィス名は明治通りの桜並木,桜が咲けばオフィスの窓の目の前が桜でいっぱいになることから「桜」を名前に入れることにしました。

桜は別れと出会いの季節に咲く花でもあり,桜が盛大に咲いて,間もなく散っていく様子からは人生の儚さを感じますし,それでも次の春にはまた満開に咲くことを思えば,地道にこつこつと日々を過ごせばまた良いこともあるものだという思いも感じたりします。

人生は喪失体験の連続

人の人生はさまざまな喪失を経験し,その寂しさや悲しさを抱えながら生きていくものです。
喪失というのは,誰かとの死別や別れ,大切なものを失くすことだけではなりません。
思い通りにならない人生も,「こんなはずじゃなかったのに」というときは,
「こうなるはずだった」という思い(理想)を手放し,諦めなければならず,これも「喪失」に含まれます。

年を取れば,記憶力も体力も落ちる一方,若い方でも小さいころのような我儘は許されなくなり,
「大人」をやらなければならず,やはりこれも「小さい頃の自由」の喪失でもあります。

自分には最初からそんなものなかった…という場合も,やはり「本来ならあるはずだったものの喪失」を受け入れ,乗り越えなければずっと不満だらけの毎日です。

「喪の哀悼」がうまく進まないとき

こうした喪失を上手く乗り越えられないとき,人の心は病んでしまうのです。

喪失を抱えながら生きていくためには「喪の哀悼」が必要だと精神分析の始祖であるフロイトは言っています。
手に入らなかったもの,失ったものを悲しみ,喪失を受け入れ,抱えながら生きていく必要があるのです。
私の臨床はこの「喪の哀悼」をクライエントさんと共に進めていく,それを主眼に置いています。

喪失を抱えながら生きていくことをお手伝いしたい

当オフィスのロゴは,しっかりと美しく咲く桜,そして散っていく桜で囲まれた円に人の一生を象徴させ,その中の空間に「喪失」をイメージしました。
そして,当オフィスでは「喪失」を抱えながら,人がしなやかに,そして強く(タフに)生きていくことをサポートしたいという思いを込めて選ばせていただきました。