自分には「生きている価値がない」と思っている方
対人関係のひな型は,小さい頃に関わった人々,特に母親との関係の中で作られていきます。たとえば,母親に愛されて育てば,世界はやさしい場所だと,自分は愛されるべき存在なのだということを感覚的に学んでいきます。しかし,残念ながら,そういう環境で育たなかった場合,自分は愛される価値のない人間なのだ,生きる価値のない人間だし(今の若い方たちの言葉で言えば,自分は「クソ」だ,「ゴミ」だということになるでしょうか。「自己無価値感」とも言います),世界は生きるに値しないところなのだと思って育つことになります。
ジブリの宮崎駿さんが,以前「世界は生きるに値するんだ」ということを子どもたちに伝えたくて映画を作っているとお答えになっている記事を見たことがあります。世界は生きるに値するのか,自分は生きるに値するのか・・・正直私には分からないのです。それでも,私たちは命ある限り,生きるしかないのだと思うのです。
そうは言っても,生きることがとてもつらい心の状況になってしまうと,自分には生きる価値なんてないんだろうと思ってしまうことがあります。でも,諦めないで下さい。まだ方法はあります。人の手を,人の心を借りてみて下さい。より自分を辛い方向にもっていっていってしまう生き方,考え方を一緒に考えてみませんか?
少し視点を変えてみることで,絶望の淵から,僅かな光を見出すこと,もう少し,生きてみてもいいのかもなって思えるような,そんな心の状態に出会える方法があります。決して,楽な方法ではありません。でも,精神分析的心理療法は,そんなあなたのお手伝いをすることができます。