ご挨拶
これまで医療機関や教育機関,民間のカウンセリング施設など,様々な場所で広く臨床活動を行ってまいりましたが,更なるチャレンジとして自分のオフィスで,自分自身が自立し,しっかりとした覚悟をもって,心に不調を抱えた皆様のサポートをしたいと思い,2023年4月,個人オフィス開業の運びとなりました。
あなたの心の理解に努め,「考える力」を共に育み,あなたが自分らしく強く穏やかに,主体性を持って生きるためのお手伝いをさせていただければと思います。
桜心理カウンセリング恵比寿
長沼 佐代子
長沼佐代子プロフィール
兵庫県宝塚市で生まれ,西宮市で育つ
神戸女学院高等部卒業
慶応義塾大学法学部法律学科卒
慶応義塾大学大学院法学研究科 公法学専攻修士課程修了
その後,シンクタンクやITベンチャーの会社等の勤務を経て,
白百合女子大学大学院にて心理学の世界に入る。
白百合女子大学大学院文学研究科発達心理学専攻博士課程単位取得満期退学
学位
法学修士(1160号)
心理学博士(甲第22号)
資格
臨床心理士(10831号)
公認心理師(15349号)
精神分析学会認定心理士(204002号)
所属学会・団体
日本臨床心理士会
東京都公認心理師会
日本精神分析学会
思春期・青年期精神医学会,日本心理臨床学会
臨床歴
これまで一般病院の心療内科,大学の学生相談室,大学併設の発達臨床センター,民間の開業カウンセリングオフィスにて勤務。
うつ病や双極性障害,パニック障害,不安障害,身体表現性障害(ヒステリー),社交不安障害(対人恐怖症),解離性障害,摂食障害,複雑性トラウマ,自己愛の病理や発達障害(ADHD,ASD),パーソナリティ障害など多岐にわたる心の病や生きづらさに苦しむ方々の精神分析的心理療法を幅広く実践。
また,不登校のお子さんや引きこもりのお子さんのご家族,コミュニケーションの取りづらい配偶者との関係性に悩む方々などを対象とした家族相談に取り組む。
教育歴
これまで非常勤講師として東京家政大学で保育士カリキュラム科目を担当し,白百合女子大学大学院では約20年にわたって臨床心理士や公認心理師カリキュラムの実習科目を担当し,当大学発達臨床センターでのプレイセラピーや心理療法のケースのスーパーヴァイズやグループスーパーヴァイズを行った。現在は非常勤講師として,駿河台大学にて臨床心理関連科目,東洋大学にて公認心理師カリキュラムの「関係行政論」を担当。
業績
著 書:
『トラウマの精神分析的アプローチ』2021 松木邦裕編,金剛出版「第11 章 愛情剥奪によるトラウマと精神病状態の心」を分担執筆 193-207
論 文:
〈原著〉
「青年期の子どもとその母親の愛着パターンの関連ーー精神医学的親ガイダンスにおける事例」2007.12 思春期青年期精神医学17(2),161-171 大西美代子・長沼佐代子
「破壊的自己愛の展開――家族に惨事をもたらしていた男性の事例から」2013.10 心理臨床学研究 31(4), 575-585
「摂食障害の精神分析的心理療法――過剰な投影の容器としての生き方」2014.11 白百合女子大学発達臨床センター紀要(17) 23-31
「描画を用いた前言語期からの物語の再構成――デッドマザー・コンプレックスを抱えた思春期女子の症例」2015.2 精神分析研究59(1)83-92
など
〈症例研究〉
「躁うつ病患者への精神分析的心理療法の有効性―悼み悲しむこと」2021.2 精神分析研究65(1)58-67 など
〈研究報告〉
身体的虐待と思春期の精神病理」2003.10 精神科治療学18(10)1189-1196
学会発表:
「心的外傷と青年期の精神病理との関連ーー愛着理論からの検証」2001.12 ,大西美代子・生田憲正・長沼佐代子・皆川邦直.第14回思春期青年期精神医学会思春期青年期精神医学11(2)
「思春期の家族関係への介入ーー愛着の世代間伝達の視点から」2003.12,大西美代子・生田憲正・長沼佐代子・皆川邦直.第16回思春期青年期精神医学会,思春期青年期精神医学13(2)
「うたかたの治療構造における喪の作業」2005.10,第51回日本精神分析学会
「解離によって理想化された母親にしがみついていた女性の精神療法」2006.10,第52回日本精神分析学会
「周産期の女性の精神療法における『胎盤のパラダイム』」2007.10,第53回日本精神分析学会
「破壊的自己愛が家庭に惨事をもたらした男性の精神分析的心理療法」2008.10,第54回日本精神分析学会
「場面緘黙児のプレイセラピーから精神病的な母親の治療への移行」2009.10,第55回日本精神分析学会
「高機能自閉症児のプレイセラピーにおける解釈の機能」2010.10,第56回日本精神分析学会
「デッドマザー・コンプレックスから捉えた青年女子の症例」2011.11,第57回日本精神分析学会
「心的平衡に固執する女性の心理療法過程」2012.11,第58回日本精神分析学会
「投影の容器/世話役として生きる女性の精神分析的心理療法」2013.11,第58回日本精神分析学会
「悼み悲しむこと――双極性感情障害であること」2014.11,第59回日本精神分析学会
「離乳過程としての終結―強迫性障害の女性の治療過程」2017.11,第63回日本精神分析学会
「二つの水準の喪の作業が織り成す終結」2018.11,第64回日本精神分析学会 など
書評など:
マーガレット・ラスティン著「リーディング・クライン」の書評を執筆。2021.8 精神療法47(4)
松木邦裕著「こころに出会うーー臨床精神分析 その学びと学び方」を広報誌「心理臨床の広場」Vol.15,No1,初心者のためのブックガイドにて紹介 2022.4
翻 訳:
ディディエ・アウゼル他編「自閉症の精神病への展開――精神分析アプローチの再見」2009.5,明石書店,共訳
ジョアン・ラファエル-レフ編「母子臨床の精神力動――精神分析・発達心理学から子育て支援へ」2011.11,岩崎学術出版社,共訳
デビッド・テイラー編「ト―キング・キュア――ライフステージの精神分析」2013.3 金剛出版,共訳
リサ・ミラー著「乳幼児観察入門――早期母子関係の世界」2019.9,創元社,共訳
訓練歴
三名の精神分析の臨床家(うち二名は日本精神分析学会認定精神療法医スーパーヴァイザー)にスーパーヴィジョン,一名の精神分析家による個人分析を受けた。
精神分析家の基礎訓練の一つである乳幼児観察,そして小寺記念精神分析研究財団が主催する精神分析の体系的研修セミナー,文献購読セミナー,志塾,対象関係論勉強会が主催する系統講義セミナーなどに参加。現在も日々,心の理解,そして精神分析的心理療法の研鑽に努める。
臨床への思い
あらゆるこんがらがった糸というのは,
(糸井重里「小さいことばを歌う場所」)
根気よくていねいにほどいていけば,
いつかは,すっと一本の糸にもどせる。
逆に,「何か特別にいい方法があるか?」と,
それを探そうとすると,
ますますこんがらがることになる。
とにかく,ほどきはじめることしかないのだ。
ほどくことを,はじめる。
それしかないのだ。
これは糸井重里さんの「小さいことばを歌う場所」のなかにあった文章です。
私が日々行っている臨床のことをとてもよく言い表した文章だと思ってメモしてありました。
私は,こんがらがった糸をほどいて,一本の糸にもどす,切れているところがあれば繋げて,人生の物語を紡いでいく,そのお手伝いをするのが心理臨床の営みだと考えています。
それぞれが自分らしく,強く,穏やかに生きるために・・・当オフィスがあなたの大切な場所となることを願っております。